俺はゆっくりあこから唇を離した…。












「ごめん…。」





最低だな…俺……。














ちょっと外に出て頭冷やそう…。









ーガチャッ


フラフラと別荘のコテージに出た。


夏とはいえ夜風は涼しいな…。





もう、ほんとにどうすりゃいいんだ?



「はぁ〜…。」



「出たな、ため息たっくん!」


「ー‼ …祐樹…。」


「またあこちゃんのことかぁ?てかそれしかねぇよな‼」


「ああ。」


「何、勢いでキスでもしちゃった?」



「……!!!」


「え、え、何図星⁉」



「さぁな。」


「まぁじかぁ〜⁉ お前やるなぁ!」



「違う…。俺が寝てるあこに勝手にキスした…。」



「はあ⁉寝込み襲ったのか⁉」



おそっ⁉


「襲ったわけじゃねぇよ!」



「分かってるって。でもなぁ〜それでため息ついてたのかぁ〜…。」



「あぁ。俺、最低だ…。」









「ほんとにな。お前、あこちゃんのこと突き放しといて都合のいいことしてんなよ?」







ーイラッ


でも、言い返せない…。






「好きなんだろ?それなのに悩む必要がどこにあんだよ?」






「そんな単純じゃねぇんだよ‼」





「単純だよ。すっげぇ簡単。」



「は?」



「お前頭いいのにそんなとこはバカなん
だな。」



いちいちムカつくな。



「お前はあこちゃんが好きなんだからあこちゃんのことを守ればいいだけの話なんだよ。」



ほんとに単細胞な奴め…。


「だから、俺が関わったせいであこが悲しむんだって!」




「ほんとにそう思ってるのか?あこがちゃんがお前といることが迷惑だって言ったのか?」



「そ、れは…。」



「あこちゃんにとってお前に突き放されることの方が辛いことだったらどうする?

拓斗の選択があこちゃんをもっと悲しませてるかもしれねぇぞ?」






「ーー!!」