「お前はさ、全然タイプじゃない子を好きになったりする?」
は…?そんなの、
「俺のタイプはあこだから。」
「おまっ!かっこいいこと言うなよ〜。惚れちゃうだろ。」
「え、俺は男に興味ないから。ゴメン。」
「いや、マジで謝んなって。冗談冗談。」
分かってるっつの。
「で?本題は?」
「うん、それがさぁー今好きなこがいるんだよ。その子が全然今までのタイプと違うからさぁー。わかんなくなっちゃったんだよねー…」
そんなこったろうと思ったよ。
「てか、俺に聞くなよ…最近初めて好きな奴ができたんだから。」
「いや、それがさー…」
「それが?」
「その好きな子ってみことちゃんなんだよ…」
ふーん…
「みことって誰だよ?」
「へっ⁉ みことちゃんだよ!拓斗の妹の‼」
あ〜、そのみことね
俺の妹のみことね。
へっ⁉
みことって、みこと⁉
「みこと⁉」
「そう…この間しゃべってなんか気になってんだよねー…」
ちょっ、まだうまく状況が読みこめてないんですけど…。
「許してくれるか?」
許すもなにも…、
「本気なのか⁉」
「ああ。遊びじゃない。」
すっげぇ真剣な目…
こいつのこんな顔初めて見たぐらい…。
「その証拠にまだメルアドも知らん!」
いばって言うことかよ…。
でもこいつ手ぇ早いから、メルアドも知らないなんて本気なのかもな…。
まあ、みことだってことにはビックリだけど。
それでタイプがどうのって言ってたのか…
確かに祐樹の元カノはだいたいかわいい系だったな…。フワフワした感じの…。
その点みことは俺の妹だけあって(笑)美人だが、きつい雰囲気だ。
「へぇー…」
俺がニヤニヤすると、祐樹は決まりが悪そうに下を向いた。
と、思ったら…、
「じゃあー、次は拓斗の話な!」
こいつ…
恥ずかしくなって逃げたな。