「…あ、れ?…寝てた…?」
「ああ、」
「おはよ〜…」
だいぶ寝ぼけてるな
「…あ!餃子つくったよ!食べよ」
「そうだな」
「じゃあ用意するね〜!」
あれ?
まだ気づかねえか
「〜♪〜〜♫」
鼻歌うたってキッチン立つとか、なんかいいな
ーガチャン!
「あこ⁉︎」
すげえ音したけど…
「…っ拓斗…これ…っ…」
ああ、やっと気づいたか
「何だと思う?」
「…っ……ぅ……」
キッチンのあこに近づく
「あこ、こっち向け」
「今むりぃ…」
「ふっ…」
ーぎゅ…
肩を震わせるあこを後ろから抱きしめる
「…拓斗…やだ……」
や、やだ⁉︎
俺、やだ⁉︎
「こんな、急に…こんなことっ、しないでよ…
心の準備できてないのにぃ〜」
「準備いらねえだろ?」
上からあこの顔を覗き込むと…
「だめ、見ちゃ…ひどい顔してるから」
引っ張って俺の方を向かせると
「うぅぅ〜〜…っ…」
胸の中で泣いてるあこを、ずっと守っていこうと思った