【拓斗SIDE】








やっと、やっと俺のもとに戻ってきた…あこ…






「あたし達、みんなに支えられてるんだね！」





「ん？ああ、そうだな…」





あこを抱きしめながら話す




なんか今は離れたくねえ気分…






こんな風に戻れたのも周りの奴らのおかげだな




まず、祐樹だ。


あいつがいなかったら俺はまだあ遊んでばかりいた。




それに、みこと。


あいつがあこのドーナツを渡してくれた時に




「これをくれた子はまだ拓斗のこと大好きみたいだから迎えに行ってあげて？」




その言い方で分かった



まあ、ドーナツで分かったってのは半分嘘だな








それに、あの敦士って奴…





あいつは俺がいるのが見えててわざとあこに俺が好きだって言わせたんだ


だって、目が合ったしな…



いい奴だったってこと…か…




なんか悔しいな…





去り際に



「あこのこと絶対幸せにしてあげてくださいね？じゃないと、いつ奪いに行くか分かりませんから。」




ってつぶやいた。





あいつは男の目から見てもかっこいい奴だった




あこがあいつに揺れないでよかった…






俺、情けね…









とにかく、こんなに支えてもらってやっと側に戻れたんだ。



中途半端な状態では付き合えない。





ちゃんとあの先輩と話してケジメをつける。





でももうあこが心配するようなことはないから安心しろよ？






待ってろ！