俺には少し、先の事が見える。
けれどいつも見えている訳じゃなく、また狙って見る事も出来ない。
それは随分先の事だったり、数秒後の出来事だったりするし。
だから彼には、いくら見えた事を言っても信じてもらえない。
見えた未来は変わったりするし。
変わった直後に、またその後の未来が見える。
けれどそれを伝える間もなく未来はやってくる。
だからそうなると余計に信じてもらえない。
「次のテストで満点取らせてくれたら信じてやるよ」
そう言われても俺には、ただ勉強しろとしか言えない。
まあ信じてもらえないのは俺が見て彼に告げる事が、彼にとって信じ難いものばかりだからかも知れない。
例えば、だ。
これはある日の俺たちの会話。