正直、最初は一両ってことにびっくりしたけど


綺麗なミントグリーンの車両は私の心を踊らせた。




切符も改札もない。


とりあえず車両に乗り込んだけどよくわからなくてそのまま空いてた席に座った。




横並びの座席に乗客2人。
私と大学生らしき人。


それが私が初めて圭吾を見た日。



ほとんど貸切状態の電車がゆっくりと動き始める。他の電車に乗ったときには感じなかった気持ち。


電車の窓からは菜の花や桜が軽く咲いているのが見えて思わず目を奪われた。


ページを捲ると変わる絵本のように風景が変わっていく。