ハンバーグ定食とかき氷は、一緒に運ばれてきた。


店員はにっこりしながら私の前にかき氷を置く。




透明な器に盛られた氷に染みこむ、紅い蜜と、白い練乳。


手を添えると、ひんやり冷たい。


スプーンでつつくと、さらさらしてる。




「じゃあ、いただきます」


圭吾さんは、ご飯を頬張り出した。


黙々と、ただ箸を動かして。


かき氷が溶けるのを待たずに、料理はすっかりなくなってしまった。




そして、私の手から圭吾さんのもとへ渡ったかき氷も、あっという間に姿を消した。




出会ったときから、そうだった。


こんな私に、圭吾さんは与えてくれてばかり。




「圭吾さん」


「うん」


「……ありがとう」


「うん」




素っ気ない返事も、照れ隠しって分かるの。


どうしようもなく涙があふれそう。




私は彼に、何をしてあげられるんだろう。