急いで部屋へ上がって、メールしようと携帯を開いた。
でも気持ちばかりがはやって、上手な文章が浮かばない。
ベッドに寝転んで、指を迷わせ二言、三言。
打っては消して、打っては消して。
結局いつまで経ってもディスプレイは真っ白。
そうこうしていたら、テスト疲れのせいもあって、このまぶたは重く、重く、視界を閉ざしていった。
けたたましい着信音に叩き起こされたのは、子供がそろそろ「おやすみなさい」をする頃のこと。
妙な時間に眠ってしまったせいで、時間の感覚を失って混乱する。
そうだ、私、圭吾さんにメールしようとしてたんだ。……
開いたままブラックアウトしていた携帯の目を覚まさせると。
「新着メール1件」
ぼんやりしていた頭が、ある予感に冴え渡った。
もしかして、でも、そんなに都合のいいことなんて……
舞い上がってしまいそうな心を、かろうじて残る冷静さでつなぎ止めながら、受信ボックスを開く。
そして表示された文字に、私は頬がゆるむのを止められなかった。