帰ると、ママはリビングでテレビを観ながら洗濯物をたたんでいた。
「おかえりなさい。濡れなかった?」
「うん、大丈夫」
「雨はイヤね。乾燥機を使えば乾くんだけどね。
やっぱり洗濯物はお日様の光で乾かすのが一番気持ちいいのよね」
「そうだね」
他愛ない話に相槌を打っていると、テレビからは天気予報が流れ始めた。
「あら、明日は梅雨の晴れ間ですって」
見慣れた地図に乗っかっているのは、久しぶりに見る、晴れマーク。
『今度、晴れたら、ドライブに行こうか』
あの日から、一日だって忘れることのなかった言葉。
圭吾さん、明日は晴れるって。
約束、叶えられるよ。