ショックで意識がはっきりした。


そして、これが夢なんかじゃないと気づく。


悲しくて、恥ずかしい。


毛布をたくし上げて隠れたかったけれど、もう軽い布を引っ張る力もない。




そう、こんな姿を、私は絶対に見られたくなかったんだ。




圭吾さんの視線が痛い。


言葉を待つのが恐い。


私は目を伏せて拒絶の言葉を予感し震えていた。


それなのに。




「髪、切ったんだ」


額にかかっている髪が、長い指になでられて、ぱらりと流れる。


思いもしなかった言葉に戸惑って視線を上げると、今度は圭吾さんが目を伏せて。


「ん、可愛い、と思う」


と、言った。




圭吾さんらしくない。


そんなこと言わないで。


悲しくなるから。




そんな、嬉しいことを、言わないで。