「なんで、こんなになるまで放っておいた!

衰弱しきってるじゃねえか!

こんな状態のコイツを、どうしてこき使い続けられたんだ!」


次々と放たれる怒号。


それを、おじさまは神妙な面持ちで、ただひたすら受け止めている。




違う、違うんだよ川崎先生。


おじさまは何にも悪くないんだよ。


言いたいのに、喉からはかすれたため息しか出てこない。




「川崎くん、もうやめて!」


私の代わりに言葉を紡いでくれたのは、ママだった。


「ここへきたのは沙妃ちゃんの意思よ。

きっと、沙妃ちゃんはここでも自分の意思で行動していたんだわ。

だから弱音も吐かずに頑張っていたのよ。

ね、そうなんでしょう?」


今にも泣き出しそうな顔で同意を求めてくるママに、私はうなずく。


川崎先生は、悔しそうに口を真一文字に結び、黙りこんだ。