それからの日々は、充実の一言に尽きる。
やっていることは前と変わらない、むしろ睡眠を取るために勉強時間を減らしたというのに、得られる達成感や満足感は比べ物にならないほど大きかった。
目の前にいる人と丁寧に接することも。
心をこめて与えられた作業をこなすことも。
曇りのない心で星と向き合うことも。
夜に部屋で一人、圭吾さんを想い、空っぽのCDを抱きしめて泣くことも。
無駄なものなんて一つもなくて。
無理をして熱を出したことさえ、欠くことのできなかった軌跡のように思えて。
全部、全部、大切で。
私は、すごく幸せだった。
ただ、一つだけ残念なのは。
研究所で過ごす最後の日、気持ちに追いつけず、この体が力尽きてしまったこと。