長かった心の嵐がしずまると、高熱も治まったようだ。
私はすっきりとした気持ちで施設へとおもむいた。
「もう大丈夫なのかい?」
館長さんを始めとして、出会う従業員の人達みんなに声をかけられる。
なりふり構わずただ働くばかりで、愛想もなかった私が、こんなに心配されているとは思わなかった。
おじさまの縁者だから優しくしてもらえるのかな、なんて可愛くないことを考える。
それでも、いろんな人と触れ合えることが、今の私には嬉しかった。
一人一人に丁寧にお礼を言うと、あたたかい励ましが返ってくる。
ああ、生きるって、こういうことだった。……
実感して初めて、私はここにくることができた気がした。
仕事に、星に、真摯に向き合いたいという思いが体の奥から湧き出す。
そう、私は何にも惑わされることなく、自分のやるべきことをやればいいんだ。