暗闇の中をさまよい歩き、いつまでも光の見えないことに途方に暮れて足が止まったところで、目を覚ました。
やけに苦しい夢だったと思いきや、私は高熱にうなされていたのだった。
結局、昨夜はおじさまにいさめられて下宿に戻った。
その途中で雨に濡れたのに、そのまま横になってしまって、この有り様。
今すぐ仕事へ駆けて行きたいけれど、体が重くて起き上がることすらできない。
『熱が出た?
きっと頑張りすぎてしまったんだね。
今日はあたたかくして、ゆっくり休むといいよ。お大事にね』
通話口からは施設の館長さんの優しい声。
私は申し訳なさで泣きそうになりながら、何度も謝って携帯を閉じた。
不甲斐ない、悔しい、でも何もできない。
私は何をやってるんだろう。
時間がないというのに。
頭が締めつけられる。
顔が熱くて、ぼうっとする。
気持ちばかりが焦って、空回りしている。
滑稽なのに、笑えない。