一人、電車に揺られていた。 少しうつむいて、ジーンズに隠れているひざ小僧を見つめる。 まばらな乗客達は、黙ってそれぞれ自分の世界の中にいる。 私も私の世界の中で、さっきの会話を反芻していた。 「心臓が……というか、体全体が極端に弱ってるみてえだ。 今の段階では、それしか言えない」