夢につぶされ、それでもじっとしていたら二度と動けなくなりそうで、気力を振りしぼりベッドから抜け出した。
そして今、胸をえぐられたままの私は一人、大学で講義を受けている。
今日、綾乃はきていない。
昨日のことがあったせいだ。
突然のサポート解雇。
あのあと家まで送り届けたけれど、綾乃が泣き止むことはなかった。
あんな綾乃を見たのは初めてで、どうしていいか分からなかった。
圭吾さん達を、遠くに感じた。
今朝の夢は、そのショックのせいなんだろうか。
でも、原因を突き止めることに意味なんてない。
圭吾さんの声を食べ続けていることは事実。
それがどういうことなのか、パパのことさえ忘れて……いや、忘れたことにして、今までどうして平気でいられたのだろう。
声には、限りがあるんだ。
もし圭吾さんがパパと同じようになってしまったら……
思いをめぐらせると、戦慄した。
そう、私は化け物。
大切な人を不幸にする、化け物だ。