「圭吾さん!」




飛び起きて、息が止まった。


毛布が床に落ちる。


汗が、顎を伝ってしたたりパジャマに染みを作っていく。


カーテンの脇から、白んだ朝日がもれている。


そのすべてを確認して、ようやく理解した。




私は、夢をみていたのだ、と。




返って来た呼吸は、すっかり調子が狂っていた。


全身が汗にまみれている。


震えが、止まらない。




なんてことだろう。


最後の彼の顔が、まぶたに焼きついて離れない。


これ以上ないほどの、最悪の夢だった。




夢。




本当に?




……違う、かもしれない。




「ああ……!」




私は、両手で顔を覆い、背を丸めた。