ここは、どこだろう。
私は今、とても暗くて寂しい場所にいる。
当てもなく歩いていると、不意に視界が開けた。
遠くに見えるのは、パパ。
それから、小さな女の子。
あれは……私?
目をこすって、何度も確かめる。
間違いない。
パパの隣にいるのは、幼い頃の私だった。
二人は仲良く寄り添っている。
私の存在になど、気づかずに。
これは、どういうこと?
混乱していると、二人の会話が聞こえてきた。
「ねえパパ、この本読んで」
「『人魚姫』か。よし、読んであげよう」
パパが、喋ってる。
パパの声だ!
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