外は暑くていられない。
私達は駅前の通りにあるファーストフード店に入った。
ここはレストランと違って、店員が注文を取りに来ることはないから安心していいのだそう。
圭吾さんは一人でレジカウンターへ向かい、私は店の一番奥の席に座って涼んでいた。
まもなく飲み物を手に、圭吾さんがやってきて席につく。
その表情が冴えないことに、私はそのとき初めて気がついた。
「どこか具合が悪いんですか?」
「いや、大丈夫だよ」
でも、その笑顔は無理してる。
「今日は、どうしたんですか?」
「うん、特に用があるわけじゃないんだけど」……
そして、沈黙。
それも心地いいものじゃなくて、はらはら落ち着かない類の。
「……どうしちゃったんですか?」
大きな体を丸めて、テーブルに両肘をついて、下ばかり見ている彼の顔を、そっとのぞきこんでみる。
目が合うと、輝きの鈍ったその瞳が、一瞬、揺らいだ気がした。
「何か、嫌なことがあったんですか?」
そんな寂しそうな顔、しないで。
「私でよかったら、何でも聞きます」
すると。