「えっ？ジュリ…？」

その小さな声は私の耳まで聞こえなかった。

「辛っ！やべえっすよ！これ！水水！」

ダイスケくんは爆笑して手を叩きながら、私に言った。

「今度、バラエティにでた時の練習だよ！いいじゃん！」

なんだかんだ。めちゃくちゃ辛かったので。
普通のパスタを頼んだ。
普通のパスタはとっても美味しくて、
ダイスケくんとたわいのない話をして楽しかった。


「えーっと何円でした？」
「んー？払ったよ！行こう。」


は？え？
激辛パスタと普通のパスタ代を払ってもらった。
「あのー、お金って…。」
「お、ご、り♪」

食費が浮いたのはいいのだが、
これじゃあ、ダイスケくんに迷惑かけてばかりだよ。

「明日も、レッスン頑張ろうね！」
ダイスケくんは肩をぽんとたたいて。
帰ってしまった。

「お疲れ様でした！」


「まさか…な…。」