「ねぇ、ジュリたんはどっち方面なの?」

事務所の最寄り駅まで三人で行った。
私は、アユムくんと同じ方面だった。

「じゃあね!ジュリたん!」
トーマくんは電車に乗って行った。
あの、人気なアイドルが電車にで移動してるだなんてね。

電車の中でずっと手を振ってるトーマ君は可愛かった。


「あ、俺たちも来たよ!」
「うん!」

少しでも、男らしい声を出さなきゃ。
ふとした事でばれちゃうんだ…。

「ねぇ、ジュリくんはさぁなんでオーディション受けたの?」

お金がガッポリはいるんじゃないかとか言えない。
口が裂けてもいえない!!!

「えーっと…」
「恥ずかしい?ははっ!」

アユムくんはニッコリ笑った。