「何で。」

「…だって、あたしが行っても邪魔なだけだし…行く意味がないでしょ?」

なんて言うと、蒼空くんは呆れたようにため息をついてあたしにデコピンをした。


「いたっ…」

「安田の家に行くのに理由がいるのかよ。つーか、理由はちゃんとあるだろ。」

「理由?」

「希龍が何してんのか、知りたいから安田の家に行く。それでいいじゃん。」

たしかに知りたいけれど。


「自分の家に帰ったって何も変わんねぇだろ。」

「そうだけどー…」

「拒否権なし。行くぞ。」


あたしがいってもいいの?

なんて思ってるうちに、あたしの腕は蒼空くんにグイグイ引っ張られていた。