「おい、翼!?」
「じゃぁ、あとでっ!!」


あたし、初めて龍夜を怖いって思った…。
どうしよう…。
どうしようどうしようっ…。


「んで、クラスに駆け込んできたの?翼。」
「うん…。」


とりあえず、龍夜から離れるためにダッシュで学校に来てクラスに駆け込んで、咲のところですべて吐き出した。
すべてって言っても、あの電話のことは言えないけど。
なんとなく…なんとなく言えないだけなんだけどね。


「なんで、いきなり…。」
「なんか、龍夜が何かをやらかしたんじゃね?」
「和樹…。」
「おはよう、翼。」


クラスの外にいた和樹も合流して相談に乗ってもらう。
その間、じーっと私を見る咲に違和感を感じた。

「ごめん、和樹。次の時間サボるね。」


突然咲がそういい、和樹はとても驚いた顔で心配そうに尋ねた。


「え?具合悪いのか!?」
「違うよ。ただ…二人で話したいの。」
「あぁ…そういうことか。おっけー。わかったよ。うまくいっとく。」
「ありがと、和樹。…翼、いくよ。」


ぐいっと腕を引っ張る咲に引きずられるように空き教室に入る。
スピーカーから、予鈴がなった。


「あ…授業…。」
「そんなのどうでもいいよ。」


どうでもいいは言い過ぎっすよ!?咲さん…なんて真剣な目をした咲に言えるわけもなくて黙る。


「何があったの?」
「だから、ただ怖くなっただけだよ。」
「違うよね?」