俺の背中で寝る幼馴染の翼はさっき爆弾発言をした。


「好きって…恋愛的…?」


いきなりのことに驚いたけど…。
俺は、別に嫌ではなかった…。
でも、これから…こいつとどう接すればいいんだよ…。
そんな時、山中隆弥【やまなかたかや】が俺に電話をかけてきた。


「もしもし。」
「なぁ、龍夜?」


何故だかその電話は嫌な予感がした。
背中に背負っている翼が落ちないようにしっかりと支えながら携帯を耳に当てる。


「あ?なんだよ、隆弥。」
「お前の幼馴染のさぁ、翼ちゃん…いるだろ?」


俺に翼の話を聞いてくる奴は少なくない。
幼馴染だから、何でも知ってると思ってるからな、知らない奴らは。
だけど実際、知ってるわけだから何も言えないけど。
でも、隆弥が翼のことを聞いてくるなんて…。


「翼?翼がどうかしたか?」


あんな爆弾発言をされると思っていなかったから、何の気なしに俺は普通に返した。


「お前…翼ちゃん落としてみろよ?」
「…は!?」


翼を落とす?
背中から…ってそんなわけないよな、うん。
てことは…恋愛な意味で?
そんなことを言われたのは初めてで、理解するのに時間がかかった。
翼に恋愛的な心を抱いたことが無いわけじゃない。
でも…。