龍夜はそっと背中を向けてしゃがみこんだ。


「今度は乗れよ?」
「ん。」


龍夜を見ただけで、痛みが少し引いていて、自分がどれだけこの人を好きなのか叩きつけられる。
少し素直になろう。
今日くらいは…許されるでしょ?
龍夜の背中で揺さぶられながら家に向かう中、そんなことを思った。


「…龍夜?」
「んー?」
「ありがと…。」
「…おーっ。」


こんな時に言ってごめんね。
今しかないって思ったから。


「大好きだよ。」
「えっ!?」


龍夜の首に巻きつく腕の力を強くした。
弱くてごめん。
勇気がなくてごめんね。
あたしは、こんな時にしかいうことができないんだ。


「つ…つば…さ…?」


私の名前を驚きながら呼ぶ声が遠く聞こえた…。
ごめん。
ごめんね…。