「ふーん…。言っていいんだ?」
「っ⁉」
「言ったら、龍夜君のきも…」
「うわぁぁぁあああっ‼」
「言っていいんでしょ?」


ニヤニヤしながら、龍夜と私を交互に見る梓先生は、教師と言うか子供に近い。
何を言うんでしょーか?


「いいんだね?」
「よくねぇよっ‼」


何がよくないのさ?


「えー?いいじゃない。丁度いいチャンスよ?」


なんの?


「あーっっ‼せんせーは黙ってろよ‼」


耳まで真っ赤に染めた龍夜は、私の手を引いて、柄にもなく梓先生をあずっちではなく先生と呼んだ。
そして、乱雑に保健室の扉をあけて廊下に出る。
全然話についてけない…。


「授業でるんだろっ⁉ぼーっとしてんじゃねぇよ。」
「はぁ⁉遅れるのは、龍夜が私を保健室なんかに連れてくるからでしょ‼」


私のせいみたいに言うなっつぅのっ!
馬鹿龍夜の馬鹿っ‼
そんな馬鹿なやり取りをしてると、一時間目を終えるチャイムが鳴り、一時間目の始業式をサボってしまったことを改めて認めさせられた。