「あ…、あったー」
俺たち一緒だー。とか言ってるバカを置いてきて、俺は自分のクラスに向かった。
一年の教室は二階にあるん事は知ってるんだけど…。どこにあるんだ??
俺は適当に歩いていた。
すると、向こうからものすごい音がした。
俺は近くに行ってみると、1人の女の子がいた。
転んでしまったようだ。
俺は入学式!!っと思い出して時計に目を向けると…
8時45分だった。
俺は溜め息をつき、女の子に手を差し伸べた。
俺は、固まった…。
だって、その女の子は
俺の好きな人だったからだ。
Side 桃
私は迷っていた。
今日は私の一番の友達、中村美香ちゃんと一緒にくるはずが、美香ちゃんが熱が出てしまい一緒に来れなくなってしまった。
少し遅めに来た私は、クラスを見ても、教室がどこかわかんなくて、迷ってしまっていた。
ちなみに美香ちゃんとはクラスが一緒で嬉しかった。でも迷っちゃったからちょっとブルー。
ふっと、時計を見た。
8時45分…。
私は、まだ間に合うと思っていると走った。
いや…正確に言うと走ろうとしたんだ。その時に廊下のタイルで滑って転んじゃったんだ…。
「いたたたたたっ」
そう思っていると、どこからか足音が聞こえた。
でも今は痛くてどーしようもない。
うずくまっていると…
近くに気配を感じた。
私は驚いた。
だってそこには私の好きな人が、私に手を差し伸べてくれていたからなんだ。
Side 健太
今、俺の目は見開いてると思う。いや…見開いてる。そして彼女も見開いている。
先に沈黙を破ったのは俺だった。
「茅野さん、だいじょーぶ??」
「あ………、だいじょーぶだよっ!!」
そう言ってニコッと笑っている彼女は、ほんとに可愛かった。
でも、誰にでもそんな笑顔を見せていると思うとちょっとイラついた。