――王都カルメス



リエルは村から離れた王都に来ていた。あるだけの貯金を持って。



「王都か……。こんなに広くて大きいんだね。」



王都カルメスを中心に、周りに小さな街や村があった。



その村の中にリエルが暮らしていた村がある。



リエルが都を見渡していると青年が近寄って来た。



「ねぇ、あんたリエル?」



「えっ、はい。」



(何で私の名前……)



「ついて来て。」



「あの……。」



「見せなきゃ行けないものがあるんだ。」



リエルは青年に連れられて小さな小屋にやって来た。



小屋の中はすこしホコリ臭く、暖炉が微かに燃えていた。



「座って待ってて。」



青年はそう言うと、暖炉のそばに行きまだ燃えていた暖炉の火に手を伸ばした。



「あっ。」



青年の手が暖炉の火に触れた。



すると、火は赤から緑色に変わった。



「あと、あとすこしだから……。」