その顔・・・・その寂しそうなその顔は二度とさせないよ・・・・。





もう二度と・・・・・・・





俺は何も言わずに妃菜を抱きしめた。




「せっ・・・・先生・・・!!?」





「ごめん。俺、間違ってた。俺にはお前しかいないんだ・・・・。仲直り、してくれると嬉しいんだけど・・・・・・・・」





ゆっくりと妃菜から離れ、俺は妃菜の目を見て言った。




「俺、お前しか好きになれないみたい・・・・」





「せんせ・・・・・」




こんな恥ずかしいことを、村上先生と松本がいる前で言えるのは多分・・・今だけだろう。



あ・・・、でもあと一回はあるか。





「ちょっと、待って。それ二人の時に言ってくんない?アツアツ過ぎて汗かきそうなんだけど。あたし、帰るわ!じゃ、ごゆっくり~!」



「俺も・・・・・じゃ、ごゆっくり~」




二人はそそくさと病室を出て行った。


というより、気を使ってくれたんだろうな・・・。