式が行われるのは、小さな教会。 ヴァージンロードに繋がるドアの前で、私は緊張した面持ちで椅子に座っていた。 隣には、タキシードに身を包んだ戸田くん。 「…なに、緊張」 「してませんしてません!」 「ん、嘘だね」 「ゔぅ…」 戸田くんは、ふっと笑って、私の手をぎゅっと握った。 「大丈夫」 「……はい」 戸田くんは微笑むと、ゆっくりと顔を寄せた。 ー…もうすぐ、式が始まる…………