「っ実里?」
後ろから声が聞こえて、びっくりして振り返る。
「戸田くん!」
「おっ、彼氏さんのお出ましだ♪」
山本くんから逃れた谷口くんは、ニヤニヤしながら戸田くんを見ている。
「戸田く「ちょっと来い」
「じゃーねーっ実里ちゃぁぁん」
「"実里ちゃぁぁん"やめろや!」
後ろからそんな声が聞こえたものの、振り返ることもできないまま戸田くんに引っ張られていく。
やがて裏道に入ると、戸田くんは家の壁に私の身体を押し付けた。
肩に触れる手には、強い力がこもっている。
「…男四人に囲まれて危機感感じないわけ」
「へっ?!」
戸田くんは特大のため息をつく。
「俺以外の誰にも、実里に触れてほしくないし、話してもほしくない」
戸田くんの目はすごく真っ直ぐ。
私は目を反らせなかった。
「実里は俺だけのものでしょ」
戸田くんはそう言うと、強引に私の唇を奪った。
「戸田、く……っん…」
戸田くんに呼びかける声さえも、全て飲み込まれる。
「……他の男のところなんかいくなよ」
戸田くんは、何度も角度を変えながらキスを繰り返した。
お散歩岡田さん
END
(戸田くん、苦しいよ……)