「あの、戸田くっ?!」



急に立ち止まったかと思ったら、戸田くんは振り返り、私の唇に自分の唇を重ねた。



唇を離した戸田くんは、低い声で私に尋ねた。


「…実里、気づいてる?」


「え、なにがですか?」



答えると、戸田くんは「やっぱり」といった調子でため息をついた。




「周りの男がみんな実里見てんの」


「えっ?! 戸田くんにじゃないんですか?!」


「ばか実里。男が男見るなんて気持ち悪いだろ」



戸田くんはそう言うと、私を後ろ向きにさせた。




「えっ、戸田くん…っ?!」


呼びかけたのと同時に、首筋にちくっと痛みが走る。



「え……戸田くん?! ななななにしたんですか??!」



戸田くんは私の首筋に顔をうずめて言った。




「実里は俺のものだって、他の男に示しとかないと」


「戸田くん///」




ここは木陰で涼しいはずなのに、私の体温は急上昇していた。