「ひっさしっぶりーっ実里っ♪ 元気してた?」


「……ん、元気だったよ」


「えーっ、うそうそ! 元気ないじゃん」




翌日、日曜日。


私はなんとか笑顔を作ったけど、見事に見透かされてしまった。




今目の前にいるのはーーー…







清華ちゃん。


ついさっきメールがあり、

今から駅前のカフェ来れない?!

と、可愛らしい絵文字付きで送られてきた。



清華ちゃんとは大学は違うから、離れてから会うのは今日が初めて。




とりあえず飲み物を注文した。



「どうしたのよ実里? あたしが聞くから話してよ。ね?」


「……ん」



久しぶりに会うのにこんな話をするのは嫌だけど、清華ちゃんが真剣に聞いてきたから、私は昨日のことを全部話した。





聞き終えた清華ちゃんは、困った顔をした。


「んー…実里を大好きな戸田くんがそんなこと言ったなんて信じられないんだけど…。なんかあったんじゃないの?」




なんかあったにしては、戸田くんはあまりにも冷たかった。




「…あと一週間でしょ? 帰ってきたらちゃんと話した方がいいって」


「……うん」




握りしめた拳に向けていた視線を窓の外に移すと、そこには駅前のティッシュ配りの人が一人いた。



それを見て、戸田くんと重ねてしまう自分がいる。






私はまた視線を元に戻した。