肩を引き寄せられて、びっくりして顔を上げる。
「っ戸田くん///」
近くに戸田くんがいて、私は赤くなってしまった。
「この通り、実里は俺一途みたいだし、俺も実里一途だから」
「ととと戸田くん?!」
「花田さんと藤井さん。大学で、ずっと実里についててくれますか。実里が他の男のところ行ったら困るんで」
「「はいっ!! もちろんです!!!」」
その時、電車がホームに入ってきた。
「…あ、じゃああたし達行きますね!」
「はい、ありがとうございました」
「実里っ、羨ましいぞっ♪」
「へっ?」
じゃーねー! と言いながら、二人は電車に乗った。
急に静かになるホーム。
さっきから、肩に戸田くんの手が触れたままで、私の心臓は鳴り止まない。
「…実里」
「っにゃ?」
はっ!!
なんだこの声?!
猫?!
「ぷっ。なにそれ。猫乗り移ったの」
「違います……多分」
戸田くんがははって笑って、私の頭をぽんぽんした。
「行くよ、子猫さん」
「うぅ…はい」
戸田くんは私の手を握って、階段を登った。