菖蒲は、薫に言われて悩んだ。


「やめとくよ。愛恵の事だから、

大丈夫だろう。」


「絶対お兄ちゃんにばれただろうな。」


愛恵は自分の持っているお弁当箱を見ながら

エレベーターに乗った。

一階について降りると、誰かとぶつかった。


「ごめんなさい。前をみてなかったもので。」


愛恵はそう言って謝ったら、手を握られて

マンションを出た。


「えっ。あの、手を離して下さい。」


愛恵はそう言って、自分を引っ張って行く

人の顔をみた。


諒が手をつないでいた。