愛恵は、そう言って先に歩いて行った。


「待てよ。家まで送るから、

また変な奴に声かけらたら、

大変だろ!」


愛恵は、黙ってうなずいた。


『可愛いよな。素直のときは』


諒は、心の中でつぶやいて、

愛恵の手を掴んだ。


愛恵は、何も言わずに

手を握りかえした。