「なーなせさんっ!!今日は、大丈夫だよね?一緒に帰ろぉー!!」
また来たか…
「…あんたは、何で私に平然と話しかけられるの?」
何で?
何で私は、こんな事を聞いてんの…?
「前も言ったように、七瀬さんに感情を持って欲しくて。…それと、七瀬さんはさぁ、優しいんだよ。だから、誰よりも人の気持ちが分かる。そんな七瀬さんと俺は、友達になりたいんだ!」
え…
友達?
わ…私と?
「それは、私とか?」
「当たり前じゃん!七瀬さん以外で誰がいんのっ!!」
友達…
私と友達になりたいって…
そんな事…

友達なんていらないと思ってた。
だけど、うざいはずのコイツと友達になってみたいと思ってる私がいる。
いいのかな?
こんな私で…

「よっしゃー!!行くぞぉー!!春樹ー今日は、七瀬さんも行くからなぁ!」
「は!?ちょ…私まだ行くって言ってないっ!!」
「いーのいーのっ!!俺が七瀬と行きたいから!」
なんて強引なヤツなんだ…
でも、私も変われる気がする。
1人ではしゃいでいる、中原健太を見ながら、春樹と呼ばれてた人が「ごめんな七瀬。アイツ、ここ最近俺たちに七瀬の話ししかしないんだ。七瀬と仲良くなるのずっと待ってたみたいだからさぁ。今日は健太に付き合ってほしいんだ。悪いな」そう言った。
こんな私でもいいんだ…
そう思った。
中原健太と仲良くなりたい。
そして、こんなにも能天気でバカなヤツが何を考えているのか知ってみたい。
人に興味が出るなんて…
今までだったら、そんな事思わなかったのに…
でも、それはコイツ…
中原健太と友達になれば分かる事。
ありがとう。
今、この瞬間私は変わろうと思えた。
こう思えたのはきっと、中原健太のおかげかな?