龍二はそう言って、起き上がる…訳でもなく。



 苺の掌を舐めた。



「きゃっ」



「苺ちゃん、顔真っ赤」



 龍二が面白いものを見た子供のように微笑む。



「…どうしよう。僕、苺ちゃんのことがほしくなってきたなぁ」



 龍二の言葉に、苺はまた首を傾げる。



「龍二くん、私は玩具じゃないんだけど」



「知ってるよ」



 そう呟いた龍二の顔が、真上から苺を見下ろした。