落ちている書類をまとめて机の上に置き、本は本棚に戻す。



 書斎は足の踏み場がないくらいに散らかっていた。



 片付けの好きな母と違って父は片付けが苦手だ。



 苺が整理整頓が苦手なのは父の遺伝子を継いだからのようだった。



 苺は机の上に山積みになった書類を動かした。



 拍子に、何か紙が床に落ちてカサっと音を立てた。


 さっきと同じ白い紙で、苺はさっき拾った紙がポケットから落ちたのだろうと考えた。


 中身を見ることもしないでポケットに紙を入れる。