「へぇ?じゃあ、親父が言ってた新しい家族って香坂さんだったんだね」 納得顔で龍二が言う。 苺はここに来るまでのいきさつを思い出していた。 ◇◆◇◆ 耳の奥に残る救急車のサイレンの音。 苺の入学式の日、両親が事故で死んだ。 通夜、葬式が風のように過ぎ、苺は両親の遺品を整理していた。 「…あれ?何これ」 苺は父の書斎で白い紙を見つけた。 【紹介状】