「忘れちゃいました」


 苺が言うと、出現者は腰をまげて苺の目を捉えた。



「じゃあ、今度は覚えといてね?僕は金森龍二だよ」



 苺は頷いた。


「え?でも、あれ…?」



 戸惑っている苺に、龍二は訝しげな顔をした。



「どうかした?」


「龍二さん、ここに住んでるんですよね?…私もここに住むんですけど」