龍二の言葉に、わけもなく苺の心臓が跳ね上がった。



「え?」



 首筋の痛みは消えたが、龍二が耳元に顔を埋めっぱなしで胸の動悸は激しくなる一方だった。



「……れろ」



 龍二が小さな声で言う。



「え?」


「俺から離れろ!」



 龍二に突き飛ばされ、苺は床に尻もちをついた。