苺はおかしいと思った。


 部屋の中がアルコール臭であふれていた。


「……―――えっと…」


 部屋のベッドの上で、ワイングラスを持った龍二が胡坐(アグラ)をかいているのが見える。



「龍二くん…?だよね?」



 龍二はクラスメイトなのだから未成年の筈だ。なのに、何故酒を飲んでいるのか苺には理解できなかった。



「こっち来いよ」



 さっきまでとは違う口調に苺は戸惑った。