◇◆◇◆



 外食を終え、家に戻ってくると龍二は苺の腕を掴んだ。


「ほら、早く。見せたいものがあるんだ」


「あ、待って。トイレだけ行きたいんだけど」



 苺が言うと、仕方ないなと龍二は呟いた。


「僕、先行くから。あ、部屋は苺ちゃんの部屋の三つ左隣の向かい側ね」



 苺は頷いてトイレに向かった。


 見せたいものとはなんなのだろう。そう思いながら手を洗い、階段を上る。


 どうせなら龍二に会う前にクローゼットの中に荷物だけ入れようと苺はキャリーバッグを部屋まで運んだ。


 部屋のクローゼットにバッグを入れると苺は部屋を出た。