それから苺は玄関ロビーにいるメンバーの顔を見回した。


「あぁ、紹介するよ。左から父さんの仕事仲間の周人さん、母さん、姉の奈々子と妹の真魚(マギョ)」


 龍二が言ったところで、真魚が頬を膨らませた。


「マギョじゃないもん!真魚(マナ)だもんっ!」


「あー、ごめんごめん。で、弟の博斗、母さんの仕事仲間の瑛(テル)さん。皆、この家に住んでるんだよ」


 苺は頭を下げた。


「私は香坂苺です。よろしくお願いします」


 苺は頭を上げて龍二を見る。


「後で僕の部屋においでよ」


 龍二がそう囁いたからだ。