一瞬でも、キスされるんじゃないかと期待してしまったのが恥ずかしい。



 苺は手で顔を覆った。


「…何?どうしたの?」



 龍二の声が上からふってくる。苺は顔を上げて龍二を見上げた。


 龍二はにっこり微笑んで苺を見下ろしていた。



「なんでも…ない」


「言ってごらん?解決してあげるから」


 苺は首を振った。


 すると龍二は手をポンと打って


「あ、そっか。わかった、僕にキスしてほしいんでしょ」


 ドックンッ


 苺の心臓が大きな音をたてた。