「龍二くん、お酒…飲んだ?」



 恐々聞くと、



「飲んだけど、悪いかな」



 龍二はさらっと答えた。

 そのことに、苺は違和感を覚える。


 龍二はアルコールが入ると人格が変わる筈だった。


 俺様で、狼で、一人称は「俺」の龍二になる筈だった。

 だが、今苺の前にいるのは、小悪魔で甘えん坊で、一人称が「僕」の龍二だ。



「…どうして?」

「え?」

「何で、酔ってないの?」