苺は素っ頓狂な声を上げる。


「…ごめん」


 龍二が謝った。


「なんで、謝るの?」


 苺は恐る恐る聞く。

 謝られると、別れが迫っている恋人同士みたいだ。


「だって、守るって約束したのに、もうすぐ別れなんだよ?…や、別に別れないけど、離ればなれになっちゃうんだよ?」


 苺は俯く。

 確かに龍二の言うことは正しい。

 だが、謝ることではない気がする。


「きっと、神様があたしたちにくれた試練なんだよ」