苺の頭を撫でながら呟く龍二の顔は、どこか寂しげだ。

 海外留学となると、会える機会だって減る。
 苺だって泣きたいくらいだ。


「りゅ、龍二くんが寂しかったら、あたしだってツラいからね?寂しくなってネガティブになったりしないでよ?」


 少し強気に言うと、龍二はクスクス笑った。


「寂しすぎて死んじゃったらごめんね?」

「それじゃ、ウサギじゃん」


 苺は龍二の言葉にホッとしながら彼の胸を小突く。

 こんな風に小突きあっている時間がずっと続けばいいのに――苺はそう思った。