家に帰った苺は、部屋の前で龍二に呼び止められた。


「あ、龍二くん…。どうしたの?」


 苺が聞くと、龍二は


「苺ちゃんはさ、遠距離恋愛って…苦手?」


 いきなりそう聞いてきたのだ。

 何でそんなことを聞くのだろう。


 苺は少し不安になった。


「…何か、あったの?」


 思わず聞くと、龍二は、


「まだ言えない」


 そう答える。


 遠距離恋愛、か。苺は目を軽く閉じた。

 遠距離恋愛だと、相手が隣にいないことに恐怖を感じてしまう。